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聞けばダッシュボードが出る時代に、残った1つの仕事

3 時間前
読了時間: 4分
リングにまとまったままの計量スプーンの束の手前に、3本だけ引き抜かれて並べられているイラスト

9月10日、OpenAIがChatGPT Workに「Data agent」を足した。社内のデータにつないで、チャットで聞くだけでグラフも対話型のダッシュボードも出てくる。クエリを書ける人を待たなくてよくなった。決める仕事のほうは、そのまま自分たちの手元に残っている。どの数字を毎週見るか。ここを決めていない会社では、道具を速くしても何も変わらない。


聞くだけで出てくるようになった範囲

つなげる先は、BigQueryのようなデータ基盤と、Google DriveやSharePointに置いたファイル。管理者が有効化を判断する方式になっている。


OpenAIは社内で広く使っていて、プロダクトチームはほぼ全員、営業やサポート部門でも3分の2を超える人が使っているという。


国内ではNTTデータがアルファ版に参加した。営業や管理部門の非エンジニアが、自然言語でダッシュボードを作って更新している。ここがいちばん効く変化だと思う。分析基盤を触れる人が社内に1人しかいなくて、その人が忙しいから数字が出てこない。この詰まり方を何度も見てきた。ここが外れても、自分が見てきた会社はたいてい次のところで止まった。


30個並べたあとに聞かれること

Zennに「KPIダッシュボードを作ったのに誰も見なかった話」という記事がある。joinclassの書き手が、見られない原因は、誰のどの判断に使うかを決めないまま指標を並べたことだ、と書いている。指標が30を超えると、数字を見ること自体が仕事になる、とも。


使われ続ける条件として書き手が挙げていたのは、結果の予兆を映す指標が1つ以上あること、それと経営層が最初に見る画面が3〜7個に収まっていることだった。


自分も同じところを見ている。作る手間が障害だった会社に、そんなに当たらない。相談で多いのは、並べ終わった画面を前に「で、どれを見ればいいんですか」と聞かれるほうだ。20個ちょっとの指標が1枚に詰まっていて、その日の打ち手が決まらない。Data agentを使えば、その20個を今までより速く並べられる。


つなぐ先が無い会社の順番

中小企業の場合、もう一段手前で止まる。会計ソフトと誰かのExcelに数字が散っていて、つなぐ先のデータ基盤が無い。BigQueryを使っている20人の会社に、自分はほとんど当たったことがない。接続先のリストを見て「うちは関係ないな」で終わる。


だから順番を逆にしてください。先に、毎週見る数字を3つ決める。集める作業も、AIに聞くのも、そのあとで間に合う。


先に決めてしまえば、集めるのはスプレッドシート1枚で済む。少なくとも自分が入った会社はそうだった。逆に30個ぶんを集めようとした会社を何社か見てきたが、どこも基盤の整備から始めて、半年たっても数字を見ていなかった。


数字の選び方は、来週の判断から逆算する。見積を出したあと返事が来ていない案件は何件か。先月の請求で、入金待ちはいくら残っているか。見たらその場で誰かに電話する数字がいい。


6月に「経営者と一次情報」の記事で、社長が毎週生の数字を見ている会社ほど判断が速かったと書いた。Data agentは、その回数を増やす道具になる。どの数字を見るかを決めるのは、いまも社長本人だ。


「3つでは足りないのでは」への答え

足りない。3つで会社の全部は見えない。


それでも3つから始めるのは、見る習慣のほうが先に要るからだ。30個並べた画面を週に1回も開かない状態と、3個を毎週見る状態では、半年後に残っているものが違う。


増やすのは、毎週見るのが当たり前になってからでいい。そのときには、何が足りないかを自分たちで言えるようになっている。最初から網羅した画面を作ると、何が足りないかを誰も言えないまま放置する。


社員30人ほどの建設会社に入ったときも、最初の3か月は3つだけだった。未返信の見積件数、入金待ちの残高、それと今月の受注額。増やしたのは、朝礼でその3つを読み上げる習慣がついたあとだった。


今週の1つ

ダッシュボードを作る予定があるなら、その前に紙を1枚用意してほしい。毎週見る数字を3つ書く。書けたら、その3つが今どこにあるかを横に書く。会計ソフトの中か、まだ誰も数えていないか。


相談に来る会社の大半は、3つ目で手が止まる。止まったら、30分の無料相談で来週の判断から逆算して一緒に決めます。数字の一覧は要りません。いま迷っている判断を1つ持ってきてください。


参考

・ITmedia AI+「ChatGPT Work、質問するだけで社内データ分析・グラフやダッシュボードも作る『Data agent』」(2026年9月11日) https://www.itmedia.co.jp/aiplus/article/2609/11/2000001391/ ・joinclass「KPIダッシュボードを作ったのに誰も見なかった話」(Zenn) https://zenn.dev/joinclass/articles/kpi-20260507220450-4428

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スノーリーズ株式会社​

代表取締役

石黒翔也

​執筆者プロフィール

約7年間にわたりモバイルアプリケーションやWebアプリケーションの開発、AzureやAWSを活用したサーバー構築に従事。

その後、2021年にスノーリーズ株式会社を設立し、AIで問い合わせ業務の効率化を実現する「AIbox」を開発。

AIboxは最新のRAG技術(Retrieval-Augmented Generation)を活用し、問い合わせ業務に課題を抱える企業に採用されています。

現在は、企業の技術顧問としても活動しながら、AIやクラウド技術の普及に取り組んでいます。

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