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AIが人間のようにパソコンを操作して問い合わせ業務を処理できる!?最新のAIエージェントの動向とそれを実現するための技術を詳しく解説

Anthropicの公式ブログでは、AIエージェントを構築するための詳細な方法論が紹介されています。しかし、その内容は技術的で難解に感じる人も多いでしょう。そこで本記事では、公式情報を元に最新の技術を解説しながら、AIエージェントが私たちの生活にどのような利便性をもたらすのかをわかりやすく説明します。


AIエージェントとは何か?

AIエージェントとは、単なるチャットボットやツールではなく、目標を達成するために自律的に行動するAIシステムです。このシステムは会話だけでなく、外部ツールを操作したり、動的に意思決定を行ったりする能力を持っています。

Anthropicによると、AIエージェントには以下の2つのタイプがあります:


  1. ワークフロー型エージェント

    • あらかじめ定義されたプロセスに従って動作。

    • 例えば、顧客サポートの問い合わせを定型手順で処理するようなもの。

    • RPA(Robotic Process Automation)と似ていますが、より柔軟です。例えば、RPAが単にデータを転記するだけなのに対し、ワークフロー型エージェントはLLMを活用し、データを分析したり、適切なフローを動的に選択する能力があります。

    • 例として、顧客データの不足を検知し、その場で追加情報をリクエストする動作が可能です。

  2. 自律型エージェント

    • 自らタスクの進め方を決定し、必要に応じてツールを利用。

    • 未知の課題に対応できる柔軟性が特徴。


こうしたエージェントは、単に答えを出すだけでなく、アクションを実行し、タスクを完了させることができる点で、従来のAIシステムとは一線を画します。


すごいけど、それって本当にできるの?

現在、AIエージェントの構築は技術的に非常に高度で、実現可能性に懐疑的な声もあります。しかし、ここ数年で技術が大きく進歩しており、以下の要素が整いつつあることで、実現が現実味を帯びています。


Computer Use

AIが人間のようにコンピュータを操作する能力を指します。例えば、スクリーン上でクリックしたり、入力したり、ファイルを管理したりといった操作が可能になりつつあります。この技術が成熟すれば、AIはブラウザやアプリを使用して複雑なタスクをこなすことができるようになるでしょう。

実際にこの技術をプレビュー版で試した結果、メリットやデメリットを整理した記事「【AIがPCを操作】ClaudのComputerUseを使ってみた!コストと制限事項も解説」で詳しく解説しています。興味がある方はぜひご覧ください。


MCP(Multi-Context Processing)

MCP(Model Context Protocol)は、AIが外部のデータやサービスに安全にアクセスし、それらを効率的に活用するために設計されたプロトコルです。現在のAIアシスタントが抱える課題、例えば外部データやサービスへの安全なアクセスや、異なるツールとの連携が難しいという問題を解決することを目指しています。


MCPは、AIが外部のデータやサービスに安全にアクセスする仕組みを提供します。これにより、以下のような高度な操作が可能になります。たとえば、SlackやGitHubの内容を基に高度な分析を行ったり、会計システムや営業支援ツールのデータを解析したりすることが可能になります。また、MCPはデータの安全性を確保しつつ、アクセス制御やツール間の連携を標準化します。これにより、AIが単なる情報提供から実用的なアクションを起こす存在へと進化していきます。


より詳しいMCPの解説やその課題については、私の記事「猿でも分かるMCP:AIと既存システムの連携。なぜMCPが必要なのか?」をご参照ください。この記事では、MCPが解決しようとしている具体的な問題や、その仕組みについて詳しく説明しています。

MCP導入前
MCP導入前
MCP導入後
MCP導入後

複数のタスクや文脈を同時に処理する能力を指します。例えば、会話の流れを維持しながら、関連するツールをバックグラウンドで動かすといった高度な操作を実現することができます。


Tool Use

Tool Useは、AIが外部のツールやAPIを利用する能力を指します。この技術により、ClaudeなどのAIモデルがタスクを実行し、データを操作し、より動的で正確な応答を提供することが可能になります。具体的には、自然言語で指定したリクエストに基づき、適切なツールを選択して対応する仕組みを持っています。

例えば、非構造化データから構造化データを抽出し、請求書から名前や日付、金額を抽出して手動入力の手間を削減することができます。また、自然言語リクエストを構造化されたAPI呼び出しに変換し、チームが「サブスクリプションをキャンセル」といった単純なコマンドで共通のアクションを自動化することも可能です。さらに、データベース検索やWeb APIを使用した質問応答、ファイル管理の自動化、参加者の予定に基づく最適な会議時間の提案など、幅広いタスクに対応できます。

Tool Useの詳細については、Anthropicのブログ記事「Claude can now use tools」で紹介されています。興味のある方はぜひご覧ください。


AIエージェントができると何が便利になるのか?

AIエージェントが実現すると、さまざまな分野で革命的な変化をもたらすことが期待されています。以下は具体例です。


1. カスタマーサポート

従来のカスタマーサポートでは、固定的なチャットボットがあらかじめ設定された質問にしか答えられず、顧客データや注文履歴へのアクセスも手動で行われることが多く、効率が悪いという課題がありました。


一方で、AIエージェントを導入することで、会話を通じて顧客データを引き出したり、注文履歴を確認したりすることが可能になります。さらに、必要に応じて返金処理やチケットの更新をプログラムで自動的に実行することができるため、対応の効率化が図れます。また、成功率の高さを前提とした使用ごとの課金モデルも採用できるため、実用的かつ柔軟な運用が可能です。


2. コーディング支援

従来のコーディング支援では、コード補完ツールは単純な提案しかできず、複雑な問題については人間が試行錯誤しながら解決策を見つける必要がありました。


しかし、AIエージェントを導入することで、これらの課題に革新的な解決策を提供できます。AIエージェントは問題を解釈し、自律的にコードを生成するだけでなく、自動テストを実行してその結果を基に改善を繰り返す能力を持っています。さらに、GitHubの課題を理解し、プルリクエストを作成するといった実践的な動作も可能です。このように、AIエージェントはコーディングプロセス全体を効率化し、開発者の負担を大幅に軽減します。


3. パーソナルアシスタント

日常業務の多くが手動で行われていることが、従来の大きな課題でした。これに対し、AIエージェントはカレンダーの管理やメールの自動返信、プロジェクトの進行管理を一括で実行することが可能です。また、必要に応じて外部ツールと連携し、状況を自動で報告することで、業務全体の効率を大幅に向上させることができます。


まとめ

AIエージェントの技術は、私たちの日常や業務に新たな可能性をもたらします。この記事で紹介したような最新技術を活用することで、カスタマーサポートや問い合わせ業務

もっと詳しく知りたい方は、以下のリンクをご覧ください。

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スノーリーズ株式会社​

代表取締役

石黒翔也

​執筆者プロフィール

約7年間にわたりモバイルアプリケーションやWebアプリケーションの開発、AzureやAWSを活用したサーバー構築に従事。

その後、2021年にスノーリーズ株式会社を設立し、AIで問い合わせ業務の効率化を実現する「AIbox」を開発。

AIboxは最新のRAG技術(Retrieval-Augmented Generation)を活用し、問い合わせ業務に課題を抱える企業に採用されています。

現在は、企業の技術顧問としても活動しながら、AIやクラウド技術の普及に取り組んでいます。

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