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全社のAI基盤がGeminiとCopilotに落ち着く、賢さ以外の理由

  • 2 日前
  • 読了時間: 3分
同じ機材のデスクが整然と並ぶオフィスの手前に、専用機材のハードケースが開いて置かれている写真

ChatGPTもClaudeも、驚くような機能が毎月のように出てくる。それなのに「全社の生成AI基盤」を選ぶ段になると、日本の大企業の答えはたいていGeminiかCopilotに落ち着く。


性能で負けているわけでもないのに、だ。理由は3つあって、どれも「どのAIが賢いか」とは関係がない。


2026年7月に@ozaken_AIさんがXの記事機能で公開した分析が、この構図をきれいに言語化していた。



全社導入の死因は、性能ではなく「開かれないこと」

主要モデルの賢さは、日常業務に必要な水準をとっくに超えている。ベンチマークの僅差が現場の生産性を動かす場面は、まずない。


全社導入が失敗するのは、賢さが足りないからじゃない。配ったのに開かれず、半年で空気になるからだ。


だから基盤選びの問いは「どれが賢いか」ではない。「どのAIが、人が一日中いる場所に居続けるか」になる。


GeminiとCopilotが最初から履いている3つの下駄

元記事は理由を3つに整理している。


1つ目、業務フローに最初から常駐している。メールも資料も会議も、人が一日中触る場所にAIが住んでいる。「別タブを開く」という一手間が、活用率を下げる最大の摩擦になる。


2つ目、IDと権限をそのまま継承する。Microsoft Entra IDやGoogleのアカウント基盤と権限設定を引き継ぐから、「誰が何を見ていいか」をAIが勝手に踏み越えない。


3つ目、ガバナンスがすでに締結済み。データは自社のテナント内で完結し、新しいデータ処理契約も追加のリスクレビューも要らない。


自分はこの中でも、2つ目と3つ目が決定的だと見ている。認証とセキュリティの領域で、MicrosoftとGoogleはすでに会社の信頼を勝ち取っている。


新しいベンダーが情シスの審査をゼロから通すのと、全社契約済みの基盤の延長として通すのとでは、かかる時間も社内の説得コストもまるで違う。性能の比較が始まる前に、稟議の土俵で勝負がついている。


「じゃあClaudeは要らないのか」への答え

こう書くと、基盤に選ばれないAIは負け、と読めるかもしれない。違う。


毎日全員が開く「土台」と、ここぞの深い仕事で持ち出す「専用機」は、別の問いだ。土台の椅子にはGeminiとCopilotが座る。一方で専用機の席は空いたままで、リサーチや開発、長文の書き物といった腰を据えた仕事では、ClaudeやChatGPTのほうが強い。


自分の実感で言うと、Claude Codeがいい例だ。コードを書く、直す、調べるという深い作業では、エンジニアやデザイナーからの支持が突出して高い。全社に配るツールの選定と、開発チームが使い倒す道具の選定を混ぜると、どちらも中途半端になる。


土台が決まっている会社ほど、専用機は自由に選べる。順番としては土台が先だ。


「毎日開かれるか」の列を、比較表に足す

この構図は大企業だけの話ではない。


自分たちが中小企業のAI導入を支援するときも、性能の比較表から入る相談は多い。でも先に確認するのは、その会社の人たちが一日の大半をどこで過ごしているか、のほうだ。メールと表計算で回っている会社なら、AIはまずそこに置く。そのうえで、深い仕事には専用機を足す。


次にAIの比較表を見るときは、性能の列より先に「うちの社員が毎日開くか」の列を自分で足してみてほしい。埋めてみると、選定の景色が変わる。

参考: @ozaken_AIさんのX記事(2026年7月公開、上記埋め込み)。モデルの性能そのものより周辺の仕組みが効く、という論点は別記事「Fable 5 利用停止。AIの性能を本当に左右するもの」、ガバナンスを禁止ではなく設計で守る話は「危険なのはAIじゃない。「2つ」を決めずに使うことだ」も参照。

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スノーリーズ株式会社​

代表取締役

石黒翔也

​執筆者プロフィール

約7年間にわたりモバイルアプリケーションやWebアプリケーションの開発、AzureやAWSを活用したサーバー構築に従事。

その後、2021年にスノーリーズ株式会社を設立し、AIで問い合わせ業務の効率化を実現する「AIbox」を開発。

AIboxは最新のRAG技術(Retrieval-Augmented Generation)を活用し、問い合わせ業務に課題を抱える企業に採用されています。

現在は、企業の技術顧問としても活動しながら、AIやクラウド技術の普及に取り組んでいます。

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