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AIが商談データを読み始めた。9割の会社に無いもの

1 日前
読了時間: 3分
1本のフックにまとめて掛かった鍵束の隣に、仕切りがすべて空のままの棚が立っているイラスト

8月26日、SalesforceとAnthropicが提携の拡大を発表した。第1弾の「Salesforce in Claude」は9月にオープンベータで、営業向けのスキルが37個入っている。Claudeの中から取引先や商談を読み、そのままパイプラインの更新まで実行する。


向きが逆になった。これまでは業務システムにAI機能が付いた。今度は業務システムのほうがAIの中に入る。


日本でSFA(営業支援システム)を使っていると答えた人は9.1%(TSUIDE、2022年2月、全国14,035人)。37スキルが届くのは、その1割です。残りの9割にとっては、記録の置き場所を決める締切が1つ増えた、という話になります。


朝いちばんに開くアプリ

37スキルでできるのは、商談準備から案件の状況確認まで。管理者がSalesforce側で設定した権限が、そのまま効きます。


営業担当が商談の前に開くのは、チャットの入力欄になる。CRMの画面を開く回数は減っていきます。


同じことを、会計ソフトや勤怠の側でもやってくると自分は見ている。そのとき効くのは、記録の置き場所です。


AIから見えない仕事

Cloudsheer の Claudeforce 解説を読んでいて、一文で手が止まった。準備の上限はCRMで決まる。散らかった組織の上で推論させると、自信満々の出鱈目が返ってくる。Cloudsheer の書き手は、これをSalesforceの利用企業に向けて書いています。


これを使っていない会社に当てると、もっときつい内容になる。散らかっているどころか、AIが読める場所に記録が1件も無いからです。


従業員十数人の会社で顧客の一覧を見せてもらうと、たいてい担当者のPCの中に入っていて、ほかの人は開けません。共有フォルダにある会社でも、最後の更新が半年前だったりする。


顧客も案件も担当者の頭の中にある。この状態だと、どのAIを買っても同じ場所で止まります。止まる理由がモデルの性能ではないので、乗り換えても直らない。


「うちはSalesforceを使っていない」への答え

その通りで、37スキルは使えません。オープンベータが開いても、契約していない会社には何も起きない。


自分もここでSFAを買う話にはしません。買っても入力されない会社を、これまで何度も見てきた。入力されない理由は毎回同じで、誰がいつ書くかを決めていないからです。


先に決めるのは置き場所で、ツールはそのあと。順番を逆にした会社は、月額を払いながら結局Excelに戻ります。


置き場所を決める1つの業務

全部を一か所に集める計画は続かない。自分の見てきた範囲では、着手して3週間でだいたい止まる。


業務をひとつ選んでください。基準は「その情報が無いと、他の人が動けない」もの。自分が相談を受けた会社では、ほぼ全部が見込み客とのやり取りの履歴でした。


選んだら、置き場所を1つ決めて、そこに書く。共有ドライブの1ファイルでも、無料のグループウェアの1つの掲示板でもいい。相手と、話した中身。この2つが書けていれば、体裁は後から揃えられます。


9月17日の記事では、モデルの乗り換え疲れへの対処として「業務ごとに置き場所を1つ決める」と書いた。あれは人が使う道具の話で、今回は読ませる中身の話です。先に要るのは中身のほうでした。


次に「AI連携」の売り込みが来たら、連携先の機能表を開く前に、その業務の記録がいま物理的にどこにあるかを言ってみてほしい。言えないなら、連携しても読ませるものが無い。


どの業務から置き場所を決めるかは、30分の無料相談で一緒に選べます。業務名のメモだけ持ってきてください。


参考

  • SalesforceとAnthropic、Claudeforceを発表(PR TIMES) https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000393.000041550.html

  • Claudeforceとは?情シスの統制ポイントと導入チェックリスト(Admina by Money Forward) https://admina.moneyforward.com/jp/blog/claudeforce-salesforce-anthropic-guide

  • Getting Started with Claudeforce: Setup & Implementation(Cloudsheer) https://www.cloudsheer.com/blog/getting-started-claudeforce

  • SFA導入率の実態(Mazrica Sales。TSUIDE 2022年2月調査の引用元) https://mazrica.com/product/senseslab/sfa/sfa-adoption-rate/

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スノーリーズ株式会社​

代表取締役

石黒翔也

​執筆者プロフィール

約7年間にわたりモバイルアプリケーションやWebアプリケーションの開発、AzureやAWSを活用したサーバー構築に従事。

その後、2021年にスノーリーズ株式会社を設立し、AIで問い合わせ業務の効率化を実現する「AIbox」を開発。

AIboxは最新のRAG技術(Retrieval-Augmented Generation)を活用し、問い合わせ業務に課題を抱える企業に採用されています。

現在は、企業の技術顧問としても活動しながら、AIやクラウド技術の普及に取り組んでいます。

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