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【生成AI活用事例】現場負担ゼロでRAG精度問題を劇的に解決!知見を企業の資産へ変え、生成AIを賢く育てるA社の伴走記録

  • 4月27日
  • 読了時間: 8分


RAG 生成 AI 生成AI

はじめに:セミナーでの出会いから始まった生成AI活用の挑戦

きっかけは、弊社が登壇したAI活用セミナーに、A社(設計支援課)の担当者様が参加されたことでした。A社様の設計支援課は、社内の半導体設計者が使用する設計ツール等のエラー対応や、使い方の技術サポートを行っている専門部署です。

セミナー後にお声がけいただき、日々のサポート業務における切実な課題と、生成AI活用への熱意をお伺いしたところから、私たちの二人三脚のプロジェクトがスタートしました。


生成AI導入を阻むデータの壁|RAGが直面する属人化と手動検索の限界


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A社様の最大の課題は、生成AIに読み込ませる「データの整理」でした。

じっくりとお話を伺うと、サポート現場では大きく分けて以下の3つの壁に直面していることが分かりました。

  • 情報がいろいろな場所に散らばっている

    過去の対応履歴は、メールやチャット、プロジェクト管理ツールなどに点在しています。似たエラーの対応方法を探すために、複数のシステムを手作業で検索するしかありません。その結果、回答の作成にとても時間がかかっていました。

  • ベテランの記憶に頼る「属人化」が進んでいる

    手作業での検索は、ベテラン社員の記憶や検索スキルに頼らざるを得ません。担当者様は、「将来は、現場の設計者自身が生成AIを使ってエラーを自己解決できる環境を作りたい」という明確な目標をお持ちでした。

  • 自作のRAGシステムでは正しい回答が出ない

    実は担当者様ご自身で、社内データを参照して回答するRAGシステムを作って検証されていました。しかし、実用化には至りません。


なぜ自作のRAGシステムは失敗したのか?「データの質」と「セキュリティ」への不安

生成AIにデータをそのまま放り込むだけではダメ

失敗の大きな原因は、「データの品質と一貫性の欠如」にあります。

プロジェクト管理ツールを使ってはいたものの、運用ルールが途中で変わっていました。メールの本文がそのまま貼り付けられているだけのデータもあれば、古い対応履歴は登録すらされていません。情報の内容や細かさがバラバラだったのです。

膨大なメールデータをそのままRAGに読み込ませても、不要な情報が多すぎます。その結果、生成AIの回答精度がまったく上がりませんでした。


手作業でのRAG用FAQ化は現実的に不可能

生成AIに正しい回答をさせるには、過去の対応履歴を一つひとつ「一問一答のFAQ形式」に整理する必要があります。

しかし、日々の忙しいサポート業務の合間に、RAGのために手作業で質問と回答のリストを作り続けることはできません。古くなった情報を最新に保つことも、運用にかかる負担が大きすぎて事実上不可能です。


全社展開を見据えたセキュリティへの不安

さらに担当者様は、もう一つの強い不安を抱えていらっしゃいました。それは、将来のセキュリティや権限の管理についてです。

メールの中には、見せてはいけない情報や個人的なやり取りも含まれます。将来この生成AI(RAG)システムを全社に公開したときに、「関係ない人にまでAIが秘密の情報を回答してしまうのではないか」と心配されていました。

「なんとか生成AIを活用したい。でも、データの整理もメンテナンスも追いつかない。セキュリティも心配だ。」 A社様のこうしたジレンマを解決するために、私たちは「RAGが読みやすいデータベースの構築」を軸とした提案を行います。


生成AIの負担ゼロ運用|現場の行動を変えずに「RAG用データベース」を育てる

結論からお伝えします。私たちは、「日々の業務を変えずに、生成AI(RAG)が読みやすいデータベースを自動で作る仕組み」と「プロによる継続的なメンテナンス」をセットで提案しました。

担当者様は、「現場に負担をかけずにデータの整理をしたい」「セキュリティを守りたい」という強い思いをお持ちでした。この思いに応えるため、単なる生成AIシステムの導入ではなく、私たちが運用を代わりに行い、一緒にAIを育てていく形をとりました。


解決策1:いつものメールCCにAIを追加し、生成AIがFAQを自動整理

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新しいシステムを入れると、現場のスタッフに新しい入力作業をお願いすることになります。私たちは、サポート業務で忙しいスタッフの負担を増やさないことを一番に考えました。

提案した仕組みは、非常にシンプルです。


  • 普段通りにメールやチャットでサポート対応を行う

  • 問題が解決したら、メールのCCに「AI専用のアドレス」を追加する

  • 生成AIがメールの内容を読み取り、自動で「質問と回答」の形に整理してRAG用データとして保存する


途中のやり取りや不要なあいさつなどは、システムが自動で取り除きます。スタッフが手作業でAI用のFAQデータを作る必要がなくなります。


解決策2:プロによる伴走支援でRAGデータを「AIフレンドリー」に保つ

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生成AIを賢くするためには、読み込ませるデータをきれいに整えることが最も重要です。このデータの品質が、自作のRAGシステムで失敗してしまった最大の理由でした。

しかし、忙しい担当者様がRAGデータをきれいに保つ作業を続けることは困難です。この問題を解決するために、Snowlysのエンジニアが定期的に以下の作業を行います。


  • 専門用語の登録:会社特有の設計用語や言い回しを生成AIに教えます。

  • 権限の設定:個人情報や見せてはいけない情報を、生成AIが回答しないように設定します。担当者様のセキュリティへの不安をこれで解消します。

  • 回答のチェックと修正:生成AI(RAG)がうまく答えられなかった質問を分析し、正しい回答ができるようにデータを直します。


システムを渡して終わりではありません。私たちがプロとしてデータを整え続けることで、RAGから常に正しい答えが出る状態を維持します。


A社様の反応:「これならRAGを賢く育てるイメージが湧いた」

私たちの提案に対し、担当者様は大きな期待を寄せてくださいました。

実はA社様では、他のシステム会社3〜4社にも相談をしていました。しかし、他社の提案はどれも「今ある文章をそのまま生成AIに読み込ませる(RAGを構築する)」ものばかりでした。そのため、私たちの「データを自動で整理し、データベース化して生成AIを育てる」という独自のアプローチに深く共感していただきました。


  • 他社にはない解決策への納得感:「おかげで、課題をどう解決できるのか具体的なイメージが持てました」とのお言葉をいただきました。

  • スピーディーな行動:打ち合わせの直後には、私たちがテスト用のシステムを作るために、実際のサポートメールのサンプルをご提供いただきました。


「ただのシステム導入」ではなく、確実な解決策を探していた担当者様に、私たちの本気が伝わった瞬間でした。


未来へのステップ:小さく始めて全社へ生成AIを展開

担当者様が描いていた「最終的には設計者自身がエラーを解決できる環境」を実現するため、2つの段階に分けた計画を立てました。


  • 第1段階(現在):まずはサポート担当のチーム内だけでAIを使います。自分たちの業務を効率化しながら、AIの回答の正確さを高めていきます。

  • 第2段階(未来):十分に賢くなったAIを、全社の設計者に公開します。現場の人が自分で質問し、自分で解決できる環境を作ります。


最初から全社に公開するのではなく、小さく始めて安全を確認しながら少しずつ広げていく。この無理のない計画が、担当者様の不安を解消し、プロジェクトを前に進める力になりました。


まとめ:あらゆる部署の知見を「生成AI」と「RAG」で宝に変える

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今回のA社様の事例は、カスタマーサポート部門だけのお話ではありません。実は、多くの企業が同じ「情報の整理」という課題を抱えています。

日々のメールやチャットでやり取りされる情報は、放っておくとすぐに流れて消えてしまいます。しかし、その中には会社にとって非常に大切な「知見」が詰まっています。


「問い合わせ対応」以外にも広がる活用シーン

この「メールのCCにAIを入れるだけでデータベースを作る仕組み」は、以下のような場面でも大きな効果を発揮します。


  • 社内のヘルプデスク:社員からの技術的な質問や、ツールの使い方の回答を蓄積する。

  • 営業のナレッジ共有:お客様との交渉の記録や、成功した提案のポイントを共有する。

  • 総務・人事の相談窓口:社内規定や福利厚生に関するよくある質問を自動で整理する。


「あの情報はどこにあったかな?」と探している時間は、本来の業務に集中できていない時間です。この時間は、どの部署でも削減できる可能性があります。


生成AIを成功させる鍵は「情報の流れ」を整えること

多くの企業が生成AIの導入で失敗するのは、AIそのものの性能が低いからではありません。AIに読み込ませる「データ」が整っていないことが一番の原因です。

日々の業務の流れを止めることなく、自然にデータを整えていく。そして、プロがそのデータをメンテナンスし続ける。この「情報の流れ」を作る仕組みこそが、AIを本当の戦力にするための最短ルートです。

もし皆さんの職場でも、「過去のやり取りを探すのに時間がかかっている」「ベテランに聞かないと分からないことが多すぎる」と感じているなら、それは生成AIが活躍できるチャンスかもしれません。

Snowlysは、これからもお客様の隣で伴走し、埋もれている社内の知見を「企業の資産」へと変えていくお手伝いをしていきます。


最後に:あなたの会社の「探し物の時間」も、AIでなくしませんか?

AIの導入で本当に大切なのは、高価なシステムを入れることではありません。現場の負担を増やさずに、AIが賢く育つ「情報の仕組み」を作ることです。

Snowlysでは、この記事で紹介した「伴走型のAIデータベース構築」をはじめ、お客様それぞれの課題に寄り添った解決策をご提案しています。

もし、ご自身の職場で以下のようなお悩みがあれば、ぜひ一度私たちにご相談ください。


  • 自社で生成AIを導入したけれど、正しい回答が出ない

  • 社内の情報がいろいろな場所に散らばっている

  • 現場の入力負担を増やさずに、生成AIで業務を効率化したい


詳しいサービスの内容や、導入に向けた無料のご相談は、以下のWebサイトからいつでも受け付けております。

▼ Snowlysのサービス詳細・お問い合わせはこちら


「何から手をつければいいか分からない」という状態でも大歓迎です。あなたの会社に眠っている大切な情報を、私たちと一緒に「使える資産」に変えていきましょう。ご連絡を心よりお待ちしております。

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スノーリーズ株式会社​

代表取締役

石黒翔也

​執筆者プロフィール

約7年間にわたりモバイルアプリケーションやWebアプリケーションの開発、AzureやAWSを活用したサーバー構築に従事。

その後、2021年にスノーリーズ株式会社を設立し、AIで問い合わせ業務の効率化を実現する「AIbox」を開発。

AIboxは最新のRAG技術(Retrieval-Augmented Generation)を活用し、問い合わせ業務に課題を抱える企業に採用されています。

現在は、企業の技術顧問としても活動しながら、AIやクラウド技術の普及に取り組んでいます。

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